February 20, 2006

[GRANDDINK125X]こつこつGD…オートチョークの修理!

 今回は、Granddink125では、不本意ながらも ややメジャーなトラブルの修理。
オートチョーク機構の動作不良です。正確に言うと「オートバイスタータの配線の断線」ですね。


キャブレターのてっぺん脇に付いている黒い樹脂部分がオートバイスタータ(以下 A-B/S)です。緑と黄の線が出ていますが、電線がゴムキャップの中に入ったところで切れている場合が多いようです。オイラのは緑が切れてました。
切れたところ

この線が切れていると、しばらく走ってエンジンが暖まった後でも、アイドリング回転が3,000回転前後に上がりっぱなしになってしまいます。

さて、実際どう直すのか?です。加工やハンダ付けの技術が必要です。

1.A-B/S本体取り外し。
黒い本体はビス2本で押さえられている。中にはO-リングも入っている。
ニードルを曲げないために、A-B/S本体は真っ直ぐに引っこ抜くこと。

2.配線取り外し
A-B/S本体とは反対側の配線はギボシ端子になっています。端子を外したいのですがそのままでは端子を引き抜く作業スペースが少ないので、シート下のカバーはなるべく外した方が良さげです。
カバー外し

3.配線処理
電線はゴムキャップ部でいさぎよく切り放します(後で継ぎ足します)。
ゴムキャップは再利用したいので、「の」の字を書くようにコジリながら慎重に引っこ抜きましょう。
取り外したもの

ゴムキャップ部を抜いた後の円筒部は、端から12〜3mmくらいのところで切り離します。ここはもう使わない事にするので…配線を継ぎ足す際の邪魔にもなるので…
切り口

露出した端子部に、新たに100mm程の電線をハンダ付けします。
継ぎ足した電線をゴムキャップに通して、キャップを元に戻します(結構キツい)
継ぎ足し
修理済み

ゴムキャップはブラブラしないように処置する。オイラはビニールテープでぐるぐる巻きにしちゃいました。
付け足した電線と元の電線を継ぎ足す。

…後は、元通りに組み直すだけ。

元々の配線向きが、車体左側に向いていて、配線はそこからU-ターンするようになっていましたが、最初から後ろ向きにしておけば、断線の可能性は低くなるんじゃないのかなぁ〜?と思います。
再装着

オートバイスタータの細かい理屈は、以下参照

A-B/Sが何をしているかというと、キャブレター内の混合気にガソリンを増量させている通路を開け閉めしている(らしい)のです。

A-B/Sの作動原理をググっていたら分かったことを、要約しておきます。

A-B/Sの先端にニードルがあり、キャブレター内のガソリンを増量させている通路が開いている状態で始まります。
冷間時にエンジンをスタートさせると、通常のアイドリングより回転が高いのは、混合気のガソリンが多い状態だからです。

エンジンがかかってA-B/Sに電気が通る
→A-B/S内部の発熱体が加熱される
→加熱体の下のワックスが、加熱されたことで膨張する
→膨張した分がニードルを押し出す
→ガソリンを増量させている通路を閉めていく
→混合気中の増量ガソリン分が少なくなってエンジン回転が落ちていく
最終的にガソリンを増量させている通路が閉まった時が、適正な混合気の状態となり、エンジンも適正な温度に暖まっていればアイドリングが落ち着く…という訳です。

毎朝乗っていて、冷間時にアイドリングがぐずつくのは、ガソリンが減量されてきているのにエンジンがそれほど暖まっていないから…ということで説明がつきます。

ちなみに、A-B/Sが自動的にやっていることを、スポーツスターでは手動でやっています、毎回…δ(⌒〜⌒ι)
ハーレーではエンリッチナーと呼んでいます。リッチ=豊かな…の意。
Posted by tsuka27 at 10:36 P | from category: BIKE-GRANDDINK | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks